おいしいね

おいしいね

ご飯とお餅


......おなかすいた。

はじめてだなこれ......ん、なんかいいにおい


「しょくじや もち?」


なんだろう、これ......はいっていいのかな

いいにおいするし、ん〜えいっ!!


「おじゃま?します」


すっごい!いいにおいがはないっぱい!

な、なんかごはんのえがいっぱいはってある!!

このすうじ、なんだろお.....


「お嬢ちゃん、何か食べるかい?」

「え、えっとえっと、じゃあこれ!たべる!」


話しかけられたことに慌ててばっと指を指したのは「餅とからあげ定食」だった。

少々、食い合わせが悪く無いだろうか?

あと金の概念についてよくわかっていなさそうなことを思っていたが大丈夫だろうか


「たのしみだな〜!」


席について足をぶらぶらとさせながら待つ。良い匂いにお腹がくるると鳴って、?なんだろいまのおと......となっている時に、机にカタンと定食が置かれる。


「はいお待ち〜、餅と唐揚げ定食だよ」

「!!おいしそう!いただきます!」


手元にある箸を無視してお手手で唐揚げを掴み、むしゃむしゃと勢い良く食べ進める。


「おいしい!!」


ニコニコと屈託の無い笑顔で美味しい美味しいと唐揚げをどんどん口へと運ぶ。もぐもぐと頬を膨らませて食事をする。


「ふは〜、もち?からあげ?美味しかった!」

「この、ちゃいろとくろのもりょうりなのかな?」


唐揚げと餅もわからない奴とかそうそう居ないだろうと思うが、こいつはわかっていない。

そして唐揚げの皿を空にしておそるおそる、といった感じで餅を手に取り、ぷにぷにする?!お、おりょうりかなこれほんとうに......とビビりながらも一部を千切って口の放り込んだ。


「......ん、まい!!おいしい!!」

「はっ、ちゃいろいのはきほんおいしい?」


その美味しさに警戒の姿勢は全部溶けて、はっと何か真理に気がついたとでもいうような顔で少し馬鹿っぽいことを言って餅を両手で掴み直す。


「おいしっ......のびーーーー?」

「の、のびた?!?!なにこれぇ......」


餅を口に含んでぶちっときろうと手を下に下げていくと餅は伸びる。それにびくびくとしながらも、でもおいしいから......と完食した。


「ぜんぶなくなっちゃった......おかぁさん!!あっちがう......えっと、」

「お嬢ちゃん、どうしたの?」

「ごはんなくなったから、どうすればいいかなって」

「そういう時はご馳走様って言うんだよ」

「ごちそうさま!」

「うん、良い子良い子」

「ありがとーございました!」


席からばっとおりて扉まで駆けて行く。店員の人があ、お嬢ちゃん?料金〜と言う頃にはもう、大分遠くまでいっていた。

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